2014年3月8日土曜日

あなたの夢は何ですか?

このコーナーでは、夢を持ち、それを実現するために行動をしている熱い人物を紹介します。

「自分が何をしたいのか、いつも自分に問いかけてみて。『そんなの無理』かどうかは、やってみなくちゃ分からない」

プロフィール 27歳 今治市立日吉中学校、愛媛県立今治西高等学校、東京外国語大学、コロンビア大学大学院卒。外務省に就職しアフリカのガーナで外交官として活躍
今治市出身の原ゆかりさん(27歳)は、外務省に勤める新米の外交官。中学生の頃から想い続けた夢の実現に向け、今、アフリカのガーナで活動中です。今回は、平成26年2月17日に、出身校の今治市立日吉中学校で行われた講演会の内容を再編集してご紹介します。

ガーナはどんな国ですか?

「ガーナは日本の2/3の国土に約2500万人が住んでいます。英語が公用語ですが通じません。国内に言語が70もあり標準語が存在しません。ガーナと聞いて、チョコレートを思い浮かべる人は多いと思いますが、ガーナのチョコレートは甘くないんです。それは気温が40℃近くなる中で、頭の上にのせたかごに入れて売るからです。だからカカオの含有量を多くして作っています」
 2007年にガーナで石油がでたおかげで、首都アクラは今、発展し続けているという。しかし、首都から車で1時間も走ると、まったく違う風景が広がります。
「土壁でワラぶき屋根の家が建ち並んでいます。私が住んでた村は人口1000人位。水道が2つしかなく、そこに毎日、朝昼晩水を汲みに行きます。私が寝泊まりしていたおうちでは、バケツ一杯の水で入浴?していました」
 ガーナの人々は、小さい頃から頭に物をのせる訓練をしており、主に労働を担っているのは女性と子ども。子どもが生まれて1週間は名前をつけないという。理由は「新生児の死亡率が高いから、1週間は人として認めてもらえないから」だそうです。
 そんな環境ですが、子供たちは元気にそだっています。

ガーナの日本大使館へ勤めてから、夢の実現を目指す。

「私の夢は、子どもたちが笑顔で、自分の夢をもって、その実現のために一色懸命努力できる環境づくりをお手伝いすること」。そう語る原さんの夢のきっかけは、中学生の頃に観たテレビのドキュメンタリー番組。
 「フィリピンのミンダナオ島にスモーキーマウンテンとよばれるゴミ山があるんですが、そこで鉄くずを集めて売って暮らしている女の子を取材していました。普通なら大変な子どもがいるんだなと思うぐらいですが、私には8歳年下の妹がいて、その妹とそこで暮らす女の子を重ねあわせてしまったんです。その時、これは、おかしいと——」
 この時の強い想いをきっかけに、将来子どもたちのために働きたいと思った原さんは、今治西高校から東京外国語大学へ進学。ちなみに中学校3年生の時の文集には「18歳で留学をして、20歳で英語ペラペラになって、25歳で世界に羽ばたく。65歳の時には緒方貞子さんみたいになりたい」と。
「中学生の頃から留学したいと思っていて、高校や大学の時もそれを目指して勉強していました。大学では英語と中国語を学びながら、世界の法律や紛争問題、子どもたちの問題を勉強していました」
 模擬国連というサークルに入っていた時は、その一端でアメリカのニューヨークで開催された大会に出るという経験もできた。
「大学の時は、ずっと行ってみたかった発展途上国へ旅をし、カンボジアとミャンマーへ行きました」
 進路にとても悩んだが大学卒業後は外務省へ就職。2年間は国連の安全保障理事会に関わる仕事をし、その後、外務省の支援を得てNYのコロンビア大学の大学院へ留学した。そこで、途上国の保健と衛生問題について学び、昨年5月に卒業した。半年前から外交官としてガーナの日本大使館にに勤務している。
写真右はガーナのマハマ大統領。20年前にガーナの日本大使館で
働いた経験があり、日本に親しみをもっているそうだ

外交官として、ガーナや、日本がまだ大使館を置いていない英語圏のシエラレオネとリベリアにも行き、オリンピックの東京への招致活動も行なった。
 日本を紹介するのも仕事。昨年の11月に開催されたジャパンウイークという、日本を紹介するイベントでは、日本の映画やよさこい踊りなどのパフォーマンスが行なわれ、焼きそばやかき氷など日本の食も紹介した。
「アニメの『クレヨンしんちゃん〜戦国大合戦〜』を上映しましたが大好評でした。着物など日本の文化も伝わったと思います」
 日本の政治家がガーナを訪れた時に通訳をすることも。ただ、「集中力が切れたときに、今どうやって訳せばいいのか時々分からなくなることがある」のがつらいところだとか。
「日本は先進国として、井戸を作ったりして途上国を支援していますが、シエラレオネに出張して、その日本が作った井戸がある村を訪れた時、村人たちがすごく歓迎してくれました。私が学生時代にカンボジアやミャンマーに行った時も、タクシーの運転手さんに日本が道路などを整備していることを感謝されたことがありましたが、そういう瞬間が一番うれしい。もっともっとがんばろうと思いました」

休日を利用してボランティア活動

平日は外交官の仕事をこなし、週末には、2012年に自ら立ち上げた『MY DREAM プロジェクト』という名のNGOの運営に従事し、ガーナの幼稚園でボランティア活動をおこなっている。
「アメリカの大学院にいた時にボランティアでガーナに渡って、村に泊まって生活をしました。そこで見たのは、建物が無い幼稚園。子どもたちは150人ほどいましたが、木の下で勉強していました」
 そのせいで雨期には2ヶ月ほど通う所が無くなる。小さな子どもが家にいると、親の仕事にも支障をきたす。原さんはその問題を解決するために幼稚園をつくることにした。
「ホームページを作り協力を呼びかけたところ、30万円ぐらいの募金が集まって、3つのクラスと1つの職員室ができました」
 ただ、この幼稚園には現在約180人の子どもたちがいるが、先生はたった1人。その先生も高校を出ただけで、教師の資格を持っていない。すごくやる気のある先生だが、さすがに大変なので村の中学生や高校生、村人が支えて、幼稚園の教育体制をまわしている。
「私は、夢を実現するために仕事ができていると思います。まだまだ道のりは長いけど努力できていると思います。でも実際に子どもたち自身が夢を追えるようになるためには、教育設備も十分整えなくてはならないし、子どもたちが夢を半ばに死んでしまうようなことがないように、病院などの衛生環境を整えることもやらなきゃならない。時間はかかりますが、努力をしている途中です」

中学生からの質問 Q.アフリカの人たちを救うためにぼくたちができることはなんですか?

「それは私も中学生のころからずっと考えて、今も模索しているところです。募金をするという方法もありますが、ここでの私の答えは、まずは知ってくださいということ。アフリカでどんなことが起きているのか。どんなものが必要とされているのか。アフリカだけじゃなく東南アジアでも。実は日本でも支援を必要としてる人がたくさんいます。私は大学時代、養護施設で、いろんな理由でお父さんやお母さんと住めない子どもたちをサポートするボランティアをしたことがあるんですが、日本にだって、サポートを必要としている子どもたちがたくさんいます。
そういう自分が解決したいこと、ちょっとでも心を動かされる問題があるのなら何ができるかまず知ってください。
どういう問題があるか調べてください。時間がかかってもいい。今すぐ何かを全て解決することができるのであれば紛争なんて残ってないです。知る、勉強する、自分が実際行動できる力を蓄える。私もそうしているし、ちょっとずつ行動に移せるようになってきました」

最後に、中学生のみんなに伝えたいこと

「自分が何をしたいのか、何を成し遂げたいのか、ぜひいつも問いかけながら一つ一つのことに取り組んでください。いろんな選択肢がみんなにはあります。部活でも、授業でもどれを特に調べてみようか、どれを一生懸命勉強してみようか、自分は何に興味を注ごうか、その先に何を見たいのか何に繋げたいのか、それらを考えながらぜひやってみてください。突拍子もないことを思いつくかもしれない。突拍子もない夢を見るかもしれない。思うのはすごく簡単です。でも、挑戦するのは大変。みんなには時間もたくさんある。制約はいろいろあると思うけど、みんなにはすぐ情報にアクセスできる環境があります。何かを知りたいと思ったらすぐに知れる。やってみなきゃ分からない。無理だと思うその前にぜひトライしてみてください。c

「ガーナから服や布を持ってきています。ちなみにこれが踊り用の衣服。ひらひらがふわっとなってきれい」